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歯周病と虫歯の違いって何ですか?2

2017年03月01日

大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。
今回のテーマは「歯周病と虫歯の違い」です。
歯周病と虫歯はどう違うのかを聞かれた時、すんなりと答えられる人は少ないのではないでしょうか。

どちらも予防方法は同じですし、歯科医院で治療が必要という点も同じです。
もちろん歯周病と虫歯は全くの別物なのですが、その違いを知る機会はあまりありません。
そこで、ここではその違いについて分かりやすく解説していきます。

1. 歯周病は歯肉の病気

歯の周囲の病気と書いて歯周病、この文字どおり歯周病は歯の周り…すなわち歯肉の病気です。
歯周病菌に感染することで引き起こされ、症状としては歯肉の腫れや変色が起こります。
さて、「歯周病になると歯が抜ける」と聞いたことがある人が多いと思いますが、
その理由は歯周病がもたらす症状にあります。

歯周病が進行することで徐々に顎の骨が溶かされていきますが、
顎の骨というのは歯を支える役割を持っています。
つまり「顎の骨=歯の支え」であり、支えを失うことは歯を不安定な状態にさせてしまいます。
そうなると歯がグラつくようになり、最終的に抜け落ちてしまうのです。

2. 虫歯は歯の病気

虫に侵された歯と書いて虫歯、歯周病同様に文字で示すなら、虫歯は文字どおり歯の病気です。
虫歯菌に感染することで引き起こされ、症状としては歯が溶かされてしまいます。
虫歯になると歯に穴があくイメージがありますが、
正確には歯が溶かされることで穴があくわけで、これは虫歯菌が出す酸の影響です。

虫歯は治療しない限り進行を続け、どんどん歯の奥に虫歯菌が侵入していきます。
表面のエナメル質、その奥にある象牙質に到達することで私達は痛みを感じますし、
さらに進行すると歯髄、すなわち歯の神経まで虫歯菌に侵されます。
神経を破壊した後も血液や顎の骨に虫歯菌は侵入し、治療しない限り虫歯菌は進行を続けます。

3. 治療方法の違い

歯周病と虫歯は治療方法が全く異なります。
歯周病の場合は口腔内のクリーニングと患者さんによるプラークコントロールが基本です。
初期段階であればそれだけで治すことも可能ですが、
一定以上進行すると歯肉を切開して歯周ポケットの細菌を除去するなどの手術が必要です。

一方虫歯治療ですが、こちらは歯を削って虫歯菌を除去するのが基本です。
削る範囲は虫歯の進行に応じて異なり、進行している場合ほど歯を削る範囲も広くなります。
最終的には詰め物や被せ物で対処しますが、そうした後も再度虫歯になる可能性があるので要注意です。
これを二次虫歯と呼び、実際に成人の虫歯治療のほとんどが二次虫歯によるものです。

4. 自覚症状の違い

歯周病は歯肉の変色や炎症が起こるものの、「痛み」のような明確な自覚症状はありません。
最も、進行すれば歯がグラついてきますし、歯肉の退縮により歯が長くなって見えるようになります。
ただし発生直後はそういった目立つ自覚症状がないため、
知らない間に歯周病になっていたというケースが多く、そのせいで重症化してしまう人も多いのです。

一方虫歯には「痛み」という分かりやすい自覚症状があります。
正確には虫歯が象牙質まで進行すると痛むようになり、大抵の人がこのタイミングで歯科医院に訪れます。
もしここで放置してしまうとさらに神経まで進行し、そうなると痛みは激痛に変化します。
神経が破壊されると痛みを感じなくなるものの、治療しない限り虫歯菌がなくなることはありません。

5. どちらも歯を失う可能性がある

今回のテーマでもある歯周病と虫歯の違いとは趣旨が逸れますが、
これら2つの重大な共通点について触れておきます。それは、どちらも最終的には歯を失うということです。
歯周病は顎の骨が溶かされていき、支えを失った歯がやがて抜け落ちてしまいます。
虫歯も重度な段階にまで進行すれば、その頃には歯は原型を失ってボロボロになっているでしょう。

よく「歯周病と虫歯ではどちらが怖い?」という質問を耳にしますし、
この場合、痛みを感じることのない歯周病は特に軽視されがちです。
しかしそれは大きな間違いで、歯周病と虫歯はどちらも同じくらい怖い病気です。
なぜなら、どちらも進行することで歯を失ってしまうからです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病と虫歯の違いについてまとめます。

  1. 歯周病は歯肉の病気 :歯周病は歯肉の病気で、歯周病菌に感染することで起こる
  2. 虫歯は歯の病気 :虫歯は歯の病気で、虫歯菌に感染することで起こる
  3. 治療方法の違い :歯周病は口腔内のクリーニング、虫歯は歯を削るのが基本
  4. 自覚症状の違い :歯周病は痛みがなく、虫歯は痛む。この違いから、歯周病は知らない間に進行しやすい
  5. どちらも歯を失う可能性がある :重大な共通点が1つあり、それはどちらも歯を失う可能性があること

これら5つのことから、歯周病と虫歯の違いが分かります。
歯周病と虫歯、これらを引き起こすそれぞれの細菌は、プラークの中に潜んでいます。
つまり、毎日の歯磨きに加えて歯科医院で定期検診を受けて口腔内を綺麗にすることが、
歯周病と虫歯の予防方法になります。