マイクロスコープによる精密根管治療
科学的根拠に基づくハイレベルな根管治療
根管治療で大切な事
歯の治療で難しい治療の一つとして、根管治療があります。
根管治療とは神経の治療とか根の治療といわれているものです。
難しい理由は歯の構造にあります。
歯の中には歯髄と言われる神経やリンパ管、血管が収める歯髄腔というところがあって、ムシ歯になって歯に穴があくと、ここの組織を刺激するため水に染みるようになったり、炎症を起こした時などは激痛を起こします。
歯髄組織は顎の骨から、根管と言われるとても細い管を通って歯髄腔までいっています。
この根管の構造はとても細いだけでなく、複雑に曲がりくねっていたり、幾重にも枝わかれをしたりしていて全てを取り除くのは至難の業です。
取り残した歯髄があり、病原菌が感染すると、根の先に病巣をつくり痛みを誘発したり、腫れる原因になります。
根の治療を行う時、
- 無菌的な環境下で治療を行う
- 根管にある細菌の除去または減少させる
- 治療によりきれいになった根管を再感染させないためにしっかりと封鎖する
ということが、とても大切です。
ラバーダムの重要性
無菌的な環境下で治療を行う際にとても大事なものに、ラバーダムがあります。
ラバーダムとは、歯のまわりをゴムのシートで囲う事により、治療中にお口の中にある細菌が歯の中入り込むのを防ぐ、とても大事な操作です。 例えて言えば、お口のなかに小さな手術室をつくる様なものです。
神経の処置をとる、抜髄という処置はイニシャルトリートメントと言って、初めて歯を削って神経組織を切除する治療になります。この際、ラバーダムを行わないとお口の中にある細菌が入りこんでしまい新たな病気を作ってしまう原因になります。
この様にラバーダムはとても大事な操作です。
しかし、日本においては必ず行われている歯科医院は全体の5%しかないと言われています。
ラバーダムを行う場合、患者一人に対して使い捨ての一枚のゴムのシートを使い、そのための器具や手間時間がかかります。また、歯があまり残っていないときは、隔壁といってレジンという強化樹脂を使って歯の補強を行います。
ラバーダムが行われない原因の一つとして手間や材料費がかかる処置にもかかわらず、保険制度の中にラバーダムに対する対価が設定されていないということがあげられます。
日本で根管治療を行われた歯の半数近くがレントゲンを撮った際に根の先に黒い影がみられるなどの、何らかの問題を抱えてるがわかっています。この事は無菌環境下で治療が行われていない事と無関係ではないと思われます。
根管治療が成功したか否かは症状がとれるというだけでなく、何年にも渡ってレントゲン像でも異常が認められないという事です。
※ヨシダ歯科では根管治療の際には保険、自費治療に関わらず、ラバーダムを設置して無菌環境を整えております。
マイクロスコープの使用
ハイレベルな根管治療を行う際にはマイクロスコープを使用して、根管の様子をリアルタイムで観察しながら治療を進めていきます。
旧来の保険での根管治療のように手探りで根管を探して治療するという方法に比べ肉眼では見えないものが見える様になり、根管の位置や状態などを確認する事ができるために、より高度で精密な治療が可能となります。
日本ではラバーダム同様、マイクロスコープを導入している歯科医院の割合はとても低いのが現状です。
この理由としては、マイクロスコープがとても高額な機器であるにもかかわらず、保険診療での料金の設定がない事(耳鼻科などでは設定があります)と、使いこなすのが難しく、特別なトレーニングが必要になる事などが挙げられます。
外科手術によるアプローチ
根の先に病気があり、痛みを伴っていたり膿や腫れが出ている場合、根管治療を行いますが、根の形の複雑性や根の状態、感染の状態などが原因で、通常の治療方法で治るのは70~80%が限界を言われています。それでは、治らない20~30%の歯は抜くしかないのでしょうか?
この場合、症状をとる最後の手段として、手術で根の先の病変を除去する方法があります。この方法には、保険による従来型の外科的歯内療法とマイクロスコープを用いたマイクロサージェリーがあります。成功率は従来型が50~60%、マイクロサージェリーが80~96%と開きがあります。従来型はマイクロサージェリーに比べ手術の規模が大きくなるため、体にかかる負担も多くなる傾向があります。
根管治療の治療方法の選択について
ヨシダ歯科では根管治療を行う場合、次の3パターンに分けて行います。
- 専門医に紹介
- 保険治療で行う方法
- 専門医と同じ環境でヨシダ歯科で治療を行う方法
1.専門医での治療
短期間に高い成功率で治療を行いたい方は専門医による治療をおすすめします。
専門医とは日本で歯科医のライセンスを取得した後にアメリカの歯科大学で根管治療専門医のためのトレーニングプログラム修了した歯科医師です。専門医の医院では根冠 治療のみを行っているため、あらゆる症例にすることが可能です。
ヨシダ歯科では豊富なな経験と充分なトレーニングを受けた歯科医師を紹介致します。
利点
- 科学的根拠に基づく最新の治療方法と理論による、あらゆるケースにおける対応と高い成功率と安全確実な治療が可能になります。
- 外科処置が必要な場合も全ての歯に対応できます。
- 治療の正否、治療結果の予後についても明確な答えが得られます。
- 通院の回数は最小限ですませる事が可能です。
欠点
- 保険外治療となるため、治療費が高額になります。
- 一回の治療時間が長くなります。
- 根管治療のために現在通院している医院ではなく専門医の医院に通ような手間がかかります。
2.保険治療
現在日本で行われている根管治療のほとんどは保険治療ですが、ラバーダムを行わなかったり、(※ヨシダ歯科では保険治療でもラバーダムを行います)治療の方法は千差万別で最新の方法や器具、材料を科学的な根拠に基づいて行うのが困難なため、治療結果にばらつきがあり、成功率が低い傾向があります。
利点
- 保険が使えるため、料金は自由診療の10分の1~20分の1以下という非常に低額です。
欠点
- 使える方法や器具に制限が出てきてしまうため、成功率が低い傾向にあります。
- 症状がある場合、長期に渡る治療を行っているにもかかわらず、なかなか治らない場合があります。
3.専門医と同じ環境でヨシダ歯科で治療を行う方法
専門医と同じコンセプトで行う方法です。器具はディスポーザブルの使い捨てをできるだけ使い無菌環境で治療を行います。
利点
- 一人の歯科医師が根管治療だけでなく必要に応じて補綴治療(冠をかぶせる治療)歯周病治療、その他も治療も行うので、一貫性のある治療を受ける事ができます。2カ所の医院に通う手間がありません。
- 治療費は根冠治療後行われる補綴処置(被せもの、詰め物)の費用に含まれ、トータルの治療費は専門医による治療で行うより、低く設定してあります。
- ヨシダ歯科ではCTを完備しているため、通常のレントゲンでは確認が難しい根の先の病気の有無、根の形態を確認して診断・治療を行う事ができます。
欠点
- ヨシダ歯科の歯科医師は専門医に比べ経験値が少ないため、外科を伴う処置が必要な場合、対応できない症例があります。
- 根管治療意外の補綴処置などその他の処置も保険が使えなくなるため保険治療と比べて治療費が高額になります。
根管治療の流れ
- 初診時: 問診、検査、レントゲン撮影、応急処置
- コンサルティング&カウンセリング
- 治療開始(2回~4回)
- 治療終了
- 治療結果・根管治療後の処置についての説明
- 経過観察
- 補綴処置・歯周病治療・矯正治療など、必要な治療へ移行