包括的歯科治療としての矯正
小学生から中高齢者に対応する矯正治療
矯正治療は一般的に見た目をよくするためだけに行うと思われていますが、実はそれだけでなく噛み合わせを良くする、歯の寿命をのばすなどの効果があります。
歯の生えている場所や方向が悪いと、家の柱の位置が間違っていたり曲がっている家が痛むように、噛む力が均等にかからないために、ある特定の歯だけに負担がかかってしまい歯を痛めることになります。
実際、矯正治療が必要な患者さんは5〜6割いると言われています。
またセラミック治療やインプラント治療と矯正治療を行うことにより、歯を削ることを最小限にしたり、歯の寿命を延ばしたりすることが可能になります。
小児矯正(小学生〜中学生) | 床矯正による非抜歯矯正 |
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一般矯正(中学生〜30代) | ワイヤーによる一般矯正 |
成人矯正(すべての年代) | 一般矯正・限局矯正 |
限局矯正(すべての年代) | 必要な部分の矯正 |
床矯正:プレ矯正、第1期矯正
小学校1年生から5年生位の顎の成長期に行う矯正治療です。
本来の大きさまで顎の成長を後押ししてやり歯が生えるスペースを確保する方法です。
症例
左の前歯が内側に入っています 通常の方法では他の歯を抜かないと歯が並びません |
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床装置を入れて顎を広げます | |
広げながら前歯の位置を整えて | |
ワイヤーを使ってきれいに並びました 歯を抜かずに済みました。 |
そもそも、歯並びはどうして悪くなるのでしょうか?
歯並びの悪い人は例えて言えば、3人掛けの椅子に4人のひとが座るようなものです。
無理やり座れば、4人ともきちんと座ることはできずに、斜めにすわったり椅子からはみ出したりしてしまいます。
きちんと皆が座るには2つの方法があります。
1つは誰かにどいてもらう方法、つまり歯を抜く方法で、もう1つは椅子を大きくする、つまり顎を大きくする方法です。
床矯正というのは椅子を大きくする方法です。
具体的には、取り外しできる装置で少しずつ歯が並ぶ大きさまで顎の幅を広げます。
9〜10歳までのお子様はこの方法で顎の骨の幅を広げることが可能ですが、その時期を逃すと広げるのが困難になると言われています。
利点
- 手軽に始められる
- 一般矯正に比べて費用が安い
- 歯を抜かなくても歯並びを治すことができる可能性が高い
- 必要に応じて装置を自分で外すことができる
- 歯並びだけでなく、食事や姿勢に気を使うので、健康的な成長発育が期待できる
- 自分で努力した分だけ結果がでるので、治療の達成感がある
- 一般医が行うので、ムシ歯の予防や治療など矯正以外の治療を同時に行い、管理できる
欠点
- ご家族の方にやってもらうことが多いので手間がかかり、ご家族の方の負担が大きい
- やるべきことをやらないと結果がついてこない
- 小学生低学年から中学生まで管理する必要があるため、治療期間が長い
- 装置をなくしたり、壊したりする可能性がある
- 床装置だけでなく、仕上げでワイヤーを使う必要があることが多い
- 治療のゴールが不明確、終わる時期がわかりにくい
一般的な矯正のイメージは、ワイヤーをつけて歯を動かすイメージだと思います。
小児矯正は基本的に歯が並ぶための顎の大きさを確保するのを目的とします。
歯が生えてくる大きさに見合うだけの顎が大きくなってくれれば、それだけで自然と並んでくれる場合もあります。
ワイヤーで歯を動かさなくてはいけない場合も多くありますが、その場合も歯を抜かなくて良いので体にかかる負担も少なく、歯の本数が少なくなることがありません。
矯正治療と併せて食育教育や普段の生活習慣の教育も同時に行っていきますので、お子様の正しい成長発育のためにも役に立ちます。
床装置 + 正しい食生活 + 正しい姿勢 = 正しい成長発育
この症例の概要
治療費 | 60,000円〜70,000円 / 1装置につき(税込) ※症例によって費用が変動します。 |
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リスク・副作用 |
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成人矯正:LOT(限局矯正)・一般矯正
大人になっていまさら矯正は?と感じる方が多いと思いますが、実は矯正治療を行うことで噛み合わせをよくしたり、治療した歯の寿命を延ばすことができる場合があります。
大人の方で矯正が必要ときはどのような場合でしょうか?
例えば歯周病になってしまい奥歯を失い、前歯でしか噛めなくなってしまい、そのまま長期放置していると、下の前歯で上の前歯を押すことにより「出っ歯」になってしまう場合があります。
見た目が悪いだけでなく、やがて前歯もグラグラになり、総ての歯を抜かざるをえなくなる場合があります。
単に奥歯に入れ歯をいれたり、インプラントを入れることで噛めるようにはなるかもしれませんが、前歯の位置が本来ある場所にないために、見た目も悪くまた、奥歯にかかる負担もかかるために、長くもたない可能性もあります。
このような場合、奥歯にはインプラントをいれて前歯は矯正をすることによって、歯の寿命も延びます。
症例:術前
奥歯な失われていて、前歯の歯並びも悪いです。
症例:術後
奥歯にはインプラントをいれて、前歯を一本抜いて空いたスペースを利用して歯を並べます。
この症例の概要
治療費 | 1,000,000円〜1.500,000円(税込) / 1装置につき(税込) ※症例によって費用が変動します。 |
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リスク・副作用 |
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