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9月, 2018年

インプラント治療の流れを教えてください [2018年09月15日]

大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。
今回のテーマは「インプラント治療の流れ」です。
インプラントは歯を失った際、人工の歯で対処するための治療方法です。

その点では治療目的こそ入れ歯と同じなものの、治療方法は全く違います。
さらに入れ歯とインプラントでは特徴も異なるため、これらは全くの別物と考えても良いでしょう。
そこでここではインプラントをテーマにして、治療の流れについて説明します。

インプラントとは

インプラントとは人工歯根を示しており、歯だけでなく歯根…つまり歯の根も人工物で再現した治療方法です。
歯の根を再現することで人工の歯が天然の歯同様に安定し、さらに咬合力も天然の歯に近くなります。
このため天然の歯とほぼ同じ感覚での食生活が可能となり、その意味で第2の永久歯とも呼ばれます。

インプラントは人工の歯となる上部構造、人工の歯の根となるインプラント体、
上部構造とインプラントを連結アバットメントの3つのパーツから成り立っています。
そして、これら3つのパーツを手術によって埋め込んで装着するのが治療の流れとなります。

インプラントの治療の流れ

インプラントの治療の流れには2つのパターンがあり、それぞれ一回法、二回法と呼ばれる治療方法です。
「一回」や「二回」の回数は治療において行う手術の回数を示しており、
つまり一回法では1回の手術、二回法では2回の手術を行います。

一回法の流れ

一回法の流れは次のようになります。

1. 精密検査
インプラント治療では手術を行うため、患者さんの健康状態によって治療ができないこともあります。
このため、まずは治療が可能かどうかを診断するための精密検査を行います。

2. 手術
歯肉を切開して顎の骨に穴をあけてインプラント体を埋め込みます。
この時、インプラント体にはアバットメントが装着されており、これが二回法との大きな違いになっています。

3. 定着期間
経過観察のための待ちの期間です。
埋め込んだインプラント体と顎が結合するのを待つため、次の治療は一定期間空けてからになります。

4. 上部構造の取り付け
型をとって上部構造を取り付けます。定着期間を経ていることで手術の傷も癒えているため、
スムーズに取り付けが可能です。上部構造を取り付けて治療は終了です。

<補足>
一回法はインプラント治療における新しい治療方法であり、あくまで基本は二回法です。
このため、歯科医院によっては一回法に対応していないところもあります。

二回法の流れ

二回法の流れは次のようになります。

1. 精密検査
一回法と全く同じで、インプラント治療が可能かどうかを診断するための検査です。
検査の結果によっては治療が不可と診断されます。

2. 一次手術
一回目の手術のため、一次手術と呼びます。
手術内容は一回法と同じですが、二回法ではインプラント体にアバットメントが装着されていない状態です。

3. 定着期間
埋め込んだインプラント体が骨と結合するのを待つ期間です。
一回法にも同様のことが言えますが、期間の長さには個人差があります。

4. 二次手術
歯肉を再度切開して埋め込んだインプラント体を露出させ、アバットメントを装着します。
つまり二回法ではアバットメントを装着するための手術が必要なため、一回法よりも手術回数が多いのです。

5. 上部構造の取り付け
一回法と同じで、型を取って上部構造を取り付けて治療は終了です。
ただし二回法の場合、上部構造の取り付けは二次手術の傷が癒えてから行います。

<補足>
二回法は手術の回数が多い上、上部構造の取り付けも手術の傷が癒えるまで待たなければなりません。
このため、一回法に比べると治療期間も若干長くなります。

一回法と二回法の比較

一回法と二回法で比較した時、治療の流れだけで判断すると手術が1回ですむ一回法の方が優れて見えます。
しかし二回法にもメリットはあり、一回法と二回法それぞれのメリットとデメリットをまとめます。

一回法のメリットとデメリット

一回法のメリットは手術回数が少ないことで、患者さんの身体面と精神面における負担を軽減できます。
一方デメリットはアバットメントが一定期間露出したままの状態なるため、細菌感染のリスクが高まることです。

二回法のメリットとデメリット

二回法のメリットは一回法とは全く逆で、手術後の細菌感染のリスクが低いことです。
一方デメリットは手術の回数が多い分、患者さんの身体面と精神面における負担が高まることです。

…これらを比較すると分かるとおり、一回法のメリットは二回法のデメリットを解消できる点で、
二回法のデメリットは一回法のデメリットを解消できる点になっています。
つまり、一回法と二回法のメリットとデメリットは完全に対になっているのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラント治療の流れについてまとめます。

1. インプラントとは :人工の歯の根を埋め込むことで、天然の歯同様の安定性と咬合力を再現できる治療
2. インプラント治療の流れ :一回法では手術を1回、二回法では手術を2回行う
3. 一回法と二回法の比較 :一回法は手術回数が少ない、二回法は細菌感染のリスクが低いのがメリット

これら3つのことから、インプラント治療の流れについて分かります。
インプラント治療はこのような流れになりますが、全ての治療が1日で終わるわけではありません。
手術後の定着期間は日数を空ける必要がありますし、
上部構造の取り付けは「型取り→製作→装着」までの日数がかかります。