悪い咬み合わせについて
悪い歯並び=悪い咬み合わせではない!?
当院に相談にいらっしゃる方で、歯並びが悪いから咬み合わせも悪くなっていると指摘された経験がある方は以外にも多くいらっしゃいます。
残念ながら、これは勘違いです。
歯並びと咬み合わせは全く別物です。
よくある例が、矯正治療をしたら、噛む位置がわからなくなった。歯が痛くなった、顎が痛くなった・・・という症状が発現することです。
つまり、矯正治療をすることで咬み合わせを悪くしてしまうケースというのが少なからず存在するということです。歯科大学の教育では咬合を学ぶ機会がなく、日本で治療のコンセンサスが取れていないことが、このようなケースに繋がってしまっていると言えます。
咬合関係と機能という要素で噛み合わせの良し悪しが決まる
・咬合関係:上下の歯の接触の仕方
・機能:咀嚼や発音が正しくできているか
これら2つの状態で、咬み合わせの良し悪しを評価していきます。
したがって、
・顎の位置関係が正しい
・咀嚼や発音の機能的に問題がない
これらの状態であれば、歯列が悪くても(歯並びが悪くても)咬み合わせ治療の対象とはなりません。
一方、その咬合関係・機能のどちらかに問題があれば、咬み合わせ治療の対象となります。
歯並びを改善することは審美的問題の解決になるため、咬み合わせ治療とは別になります。咬み合わせ治療時に歯列改善の要望がある場合は、咬み合わせを考慮した治療を行います。
悪い咬み合わせによって起こる弊害
咬み合わせ由来のトラブル
咬み合わせによって引き起こされるトラブルを紹介します。
・食事が噛めない、噛みにくい
・噛む位置がわからない、探している
・言葉がわかりやすく発音できない
・表情が上手に作れない
このようなトラブルがよく引き起こされます。
顎関節症の原因にもなる?
咬み合わせによって引き起こされるトラブルを紹介します。
・お口が少ししか開かない
・お口を開くときに顎関節周辺や肩、首が痛くなる
・口の開閉時に顎の近くで「ポキポキ」「シャリシャリ」などの音がする
咬み合わせだけが原因ではありませんが、咬み合わせが関係していると言われています。
咬合関係と機能という要素で噛み合わせの良し悪しが決まる
悪い咬み合わせで一番注意が必要なのは、噛む力で歯が壊れてしまうことです。
正しい咬み合わせであれば、噛む力を分散させることができますが、悪い咬みあわせの場合、特定の歯に接触する力が集中してしまうため、歯が壊れてしまいます。 これをメカニカル・ストレスと言います。
このメカニカル・ストレスを受けた歯や周囲の組織は結果的に壊れてしまっているケースが多いです。
壊れているといっても様々であり、その中でも顕著に弱い部分で起こっていることが明らかになっています。
例えば、
・顎関節が弱い人は、顎に強い痛みを感じる
・歯に硬さがない人は、歯がすり減ってしまいます
・歯周組織が弱いひとは、歯がぐらついてしまいます
・失活歯(歯の神経がない歯)は割れてしまいます
このように、虫歯や歯周病である(=細菌の問題である)と思ってたら、実はメカニカル・ストレスを受けていることが問題で歯が壊れてしまっていることがあります。
悪い噛み合わせをイメージする
椅子をイメージしてみてください。
4本脚のうち、1本ネジが緩んでいたとしましょう。
そうすると、どうでしょうか。椅子はガタつくと思います。
これが咬み合わせの悪い状態なのは容易にイメージできるかと思います。
その椅子に座り続けていたらどうなるでしょうか。
4本足のバランスが崩れてしまい、ネジが緩んでいる脚に極端な負担がかかってしまい、結果的に椅子の脚は外れてしまうか、折れてしまう可能性があります。
咬み合わせもそのように弱い場所から壊れていきます。 これが悪い咬み合わせのイメージです。
咬みあわせのチェックリスト
- 口が開かない、開きにくい
- アゴが動かしづらい、動かない
- 片方で噛み続ける癖がある
- 噛む場所がわからない、楽に噛めない
- 詰め物がよく取れる、壊れる
- 歯にヒビが入った事がある、割れたことがある
- 入れ歯を装着して、お口の中で壊れたことがある
- 歯の問題はいつも同じところである
- 虫歯や歯周病が治らないが、どこに行っても改善されない
このいずれかに該当したら、咬み合わせに問題があるかもしれません。 歯科医院に継続的に通っているのに、改善が見られない方は一度当院へご相談ください。
当院の咬み合わせ治療について
当院ではシークエンシャル咬合と呼ばれる理論を用いた咬み合わせ治療を行っています。詳細な検査、分析によって最適な治療計画を立案します。 以下のページで詳しくシークエンシャル咬合について解説していますので、是非ご一読ください。