歯ぎしりと咬み合わせの関係性
歯ぎしりをすることは悪いこと?
歯ぎしりをする=悪い習慣が身についている。と思われている方が多いのではないでしょうか?では、歯ぎしりをすることがどのような影響を及ぼすのかをお伝えするとともに、歯ぎしりと咬み合わせの関係性についてもお伝えできればと思います。
歯ぎしりは3種類ある
歯ぎしりは専門的な言葉でブラキシズムと言います。
歯ぎしりというと、寝ている時に音がなるほど歯をこすり合わせているイメージが強いと思いますが、それだけではなく全部で3種類あります。
・上下の歯をこすり合わせる:グライディング
・歯を強く噛みしめる:クレンチング
・カチカチと歯を連続的に噛み合わせる:タッピング
グライディングやタッピングは就寝時に音がするので、わかりやすいのですが、クレンチングは音がしないため、ご自身だけではなく親しい方でも気付かないとう特徴があります。
では、なぜ人は歯ぎしりを行うのでしょうか?
人が歯ぎしりを行う理由?
私たちが社会活動の中でストレスを感じた時に、無意識で歯ぎしりを行っていると考えられています。
また、現在も研究が進められていますが、交感神経と副交感神経のバランスに歯ぎしりが関わっているということも徐々に明らかになってきています。
※交感神経;活動時に活発になる。血管収縮・血圧上昇・心拍数の上昇・筋肉の緊張・発汗の促進など。
※副交感神経:夜間やリラックス時に活発になる。交感神経の反対の作用があります。
有名な教授の2名の言葉があります。 カナダ・モントリオール大学のラヴィーン教授(睡眠医学の第一人者)は、「歯ぎしりは正常な習慣であり、性格やアルコールの摂取などによって増減する」と言われています。
ウィーン大学のスラビチェック先生は、「歯のすり減った人に攻撃的な人が少なく、穏やかな人が多いため、歯ぎしりとストレスに関係性があるのではないか?」と仮設を立て、研究を始めたそうです。
以上のことから、歯ぎしり=悪い習慣という話ではなく、歯ぎしりがストレス緩和などに作用しているという良い考え方にも注目が集まっています。
悪い咬み合わせが悪い歯ぎしりを生む!
良い歯ぎしりがある一方で、歯ぎしりによって歯を壊してしまっている場合があることも事実としてあります。ではどうして歯を壊してしまう「悪い歯ぎしり」をしてしまうのでしょうか。 それは、「悪い咬み合わせ」が原因であると考えられます。 その悪い咬み合わせと噛む力によって歯を壊していってしまうのです。
噛む力(咬合力)について
噛む力(咬合力)は数キロ〜30キロ程度であると言われています。
小学生の体重が噛む力にかかると考えると、とても強い力であることが想像できるかと思います。
就寝時の歯ぎしり(クレンチング)による咬合力は50キロ〜100キロを超える力であると言われています。就寝中は無意識であるため、力のコントロールができないことが原因です。
起床時に顎が痛い、顎が重いなどの症状を感じたら、あなたは就寝時にクレンチングをしているのかもしれません。
歯の接触と歯ぎしりの時間によるダメージの問題
通常、食事をするときは歯が接触することはありません。 それは、歯の接触する前に食事を噛み砕いたり飲み込んだりすることができるためです。
しかし、クレンチングをしている場合、歯と歯が直接押し付けあっている状態のため、50キロ〜100キロの力が持続的にかかります。
特に就寝中は約30分ほど歯が噛み合っている状態であるため、1ヶ月もあれば15時間も50キロ〜100キロ近い力に歯や周囲の組織は耐え続けていることなります。成人男性が自分の身体の上に15時間も乗り続けていたら。それが半年、1年と続いたらどうでしょうか。。
耐えられなくなるのが想像に難くないと思います。
当院の咬み合わせ治療について
当院ではシークエンシャル咬合と呼ばれる理論を用いた咬み合わせ治療を行っています。詳細な検査、分析によって最適な治療計画を立案します。
以下のページで詳しくシークエンシャル咬合について解説していますので、是非ご一読ください。