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妊娠すると歯が弱くなると言いますが、それは本当なのですか? [2017年06月01日]
大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。
今回のテーマは「妊娠すると歯が弱くなるというのは本当か」です。
「妊娠すると歯が弱くなる」…妊娠を経験した女性の多くがそう言います。
ではなぜ妊娠すると歯が弱くなるのか?歯が弱くなると言う女性にそう聞くと、
多くの女性は「赤ちゃんにカルシウムをとられるから」と答えます。
さて、ここで説明するのはこの事実が本当かどうかです。
1. 赤ちゃんにカルシウムはとられない
お腹の中の赤ちゃんはお母さんから栄養をもらって育っていきますが、
歯からカルシウムととることはないですし、そもそも歯のカルシウムが血液中に溶け出すことはありません。
つまり「赤ちゃんにカルシウム」をとられるという説は全くのデタラメです。
次に歯が弱くなるかについてですが、「歯が弱くなる」というのも表現としては間違っており、
正しくは「虫歯や歯周病にかかりやすくなる」と表現すべきでしょう。
妊娠して歯が弱くなることはないですし、赤ちゃんにカルシウムをとられることもありません。
2. 悪阻でお口の中が不衛生になる
妊娠すると虫歯や歯周病にかかりやすくなるため、その事実から「歯が弱くなる」と連想してしまいがちです。
しかし上記で説明したとおり、妊娠によって歯が弱くなることはありません。
ではなぜ妊娠すると虫歯や歯周病にかかりやすくなるのか?…その原因の1つが悪阻です。
妊娠すると悪阻に悩まされますが、悪阻の嘔吐によってお口の中が不衛生になってしまうのです。
また、悪阻の嘔吐で出る胃液は強酸性であり、これによってお口の中が酸性になって虫歯を招きます。
言ってみれば、悪阻はお口の中を虫歯菌が心地よく感じる環境にしてしまうのです。
虫歯菌にとって心地よい環境になればそれだけ虫歯菌の働きも活発になってしまいます。
さらに悪阻で従来どおりの歯磨きができないことから、虫歯や歯周病予防も不充分になってしまうのです。
3. 唾液の質が変化する
唾液は人それぞれ異なった特徴を持っており、最も虫歯になりにくいのは「サラサラで量が多い唾液」です。
逆に虫歯になりやすいのが「ネバついていて量が少ない唾液」です。
妊娠すると女性ホルモンに変化が起こりますが、その影響で唾液にも変化が起こります。
そして、その変化によって唾液の特徴が「ネバついて量が少ない唾液」になってしまうのです。
そもそも唾液はお口の中を洗浄する役割を持っており、食事の際に唾液の分泌が高まるのはそのせいです。
ネバつくことで細菌を流せなくなり、量が少ないことでお口の中全体に唾液が行き届かなくなる…
どちらも洗浄効果が不充分なことが分かるでしょう。妊娠するとこうした唾液の質に変化してしまうため、
虫歯や歯周病の予防が普段より難しくなるのです。
4. 女性ホルモンが過剰に分泌する
妊娠すると女性ホルモンの分泌が活発になり、場合によっては過剰な分泌を起こします。
そして、このような女性ホルモンの過剰な分泌は歯周病になるリスクを高めるのです。
と言うのも、歯周病菌にはいくつかの種類があり、
中には女性ホルモンをエネルギーとする歯周病菌が存在するからです。
女性ホルモンをエネルギーにする歯周病菌にとって、女性ホルモンの過剰な分泌は願ってもない状態です。
このため歯周病菌の働きが活発化してしまい、それによって歯周病にかかりやすくなってしまうのです。
ちなみに、「男性と女性とでは女性の方が歯周病になりやすい」と聞いたことがある人もいるでしょう。
それは事実であり、こうした妊娠時などに女性ホルモンが過剰に分泌することが理由になっています。
5. ダラダラ食いをしやすくなる
お腹の赤ちゃんが大きくなることで、内臓が押し上げられて胃が圧迫されます。
この状態になると、どうしても少しずつ何度も食べるという食事のスタイルになってしまいます。
胃の圧迫が原因である以上やむを得ないのですが、
こうした食事のスタイルは子供のダラダラ食いとほぼイコールになるのです。
知ってのとおりダラダラ食いは歯の再石灰化が行われにくくなるため、
虫歯にかかりやすくなるとされています。
妊娠するとこうしたダラダラ食いをどうしてもするようになってしまい、
その影響で虫歯になるリスクが高まってしまうのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、妊娠すると歯が弱くなるというのは本当かについてまとめます。
- 赤ちゃんにカルシウムはとられない :「カルシウムをとられる」はウソだが、虫歯や歯周病にはなりやすい
- 悪阻でお口の中が不衛生になる :嘔吐によってお口の中で細菌が増殖し、強酸性の胃液で虫歯を招く
- 唾液の質が変化する :ネバついて量が少ない唾液の質になり、この質の唾液が虫歯のリスクを高める
- 女性ホルモンが過剰に分泌する :歯周病菌のエネルギーになるため、歯周病にかかりやすくなる
- ダラダラ食いをしやすくなる :胃の圧迫によってダラダラ食いをしてしまい、虫歯になるリスクを高める
これら5つのことから、妊娠すると歯が弱くなるというのは本当かが分かります。
直接歯が弱まるわけではないですが、これらの理由から虫歯や歯周病になるリスクが高まるのは事実です。
このため、体調が優れている時には歯科医院で検診を受けてください。
さらに悪阻に無理のない範囲で歯磨きをして、少しでも妊娠中の虫歯や歯周病を予防しましょう。
虫歯になりやすいのですが、歯を磨く以外で予防法はないですか? [2017年05月01日]
大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。
今回のテーマは「歯を磨く以外の虫歯の予防方法」です。
虫歯にはなりやすい人となりにくい人がいて、それは唾液の質の違いなどが理由として挙げられます。
最も、虫歯になりにくい人も歯磨きを疎かにしていては、たちまち虫歯になってしまうでしょう。
また、虫歯になりやすい人は歯磨きだけでは予防は不充分です。
そこで、ここでは歯磨き以外の虫歯の予防方法を説明していきます。
1. デンタルフロスを使用する
正確には歯磨きに含まれますが、多くの人が歯磨き時にブラッシングだけですませています。
さて、ブラッシングだけの場合はお口のプラークの除去率は6割程度であり、
実に4割ものプラークが依然お口の中に残っているのです。
その点、デンタルフロスを使用すればプラークの除去率はさらに2割高まり、
ブラッシングと合わせて8割のプラーク除去率が実現します。
このため歯磨き時には歯ブラシだけでなく、デンタルフロスも使用するようにしましょう。
2. 間食のタイミングに注意する
人間は食事をするとお口の中が酸性に傾き、この時が最も虫歯ができやすい環境になります。
ここで問題になってくるのが間食のタイミングです。
例えば昼食を食べたとすると、その時点でお口の中は酸性に傾きます。
そして食事を終えた後は徐々に中性に戻ってくるわけですが、
中性に戻った頃に間食すれば再びお口の中は酸性になってしまうため、酸性の時間が長くなってしまいます。
それを防ぐためには、間食はできるだけ食事の後すぐのタイミングで考えてください。
3. キシリトールを摂取する
キシリトールが虫歯予防に効果的なことは以前テレビや雑誌でも話題になりました。
これは、キシリトールによって細菌が酸を生産する能力を弱めるからです。
つまり、お口の中を虫歯になりにくい環境にできるのです。
このためキシリトールは積極的に摂取するといいのですが、一つだけ注意点があります。
それは、摂取する際はその食品のキシリトール配合率に注目することです。
最低でも50%以上のものを選ばないと、逆に糖分によって虫歯を招いてしまいます。
4. 定期検診を受ける
歯科医院の定期検診ではお口のクリーニングを行い、虫歯の要因となるプラークや歯石を除去できます。
また、お口の中をチェックするので初期段階の虫歯も発見できるメリットがあるのです。
さらに正しい歯磨き方法を指導してもらえるため、毎日の歯磨きの精度を高めることもできます。
ちなみに、定期検診は虫歯予防だけでなく歯周病予防にも効果的です。
定期検診を受ける目安としては三ヶ月に一度が理想ですが、
それが無理なら半年に一度、どんなに長くても一年に一度は定期検診を受けてください。
5. 矯正治療の検討
矯正治療は費用が高額なため、絶対にやるべきとまでは強くおすすめできません。
しかし、矯正治療によって虫歯になりにくくなることがあるのも事実です。
と言うのも、歯並びが悪ければそれだけ虫歯になるリスクが高くなるからです。
歯並びが悪いことで歯磨きしにくい箇所ができますし、
状態によっては歯科医ですら虫歯を見逃してしまう可能性もなくはないでしょう。
矯正治療で歯並びを改善することは、単に審美性を高めるだけでなく虫歯になるリスクを減少させるのです。
6. 生活習慣を改善する
虫歯は虫歯菌という細菌に感染することで引き起こされますが、
人間が細菌に感染するかどうかはその人の身体の免疫力が大きく関係してきます。
つまり虫歯も風邪と同じで、身体の免疫力が高ければ虫歯菌に侵されにくいのです。
このため、生活習慣を見直して免疫力を高める工夫をしてください。
例えば疲労やストレス…これらは社会人なら誰もが抱える問題ですが、
あまり蓄積させてしまうと免疫力が低下し、風邪だけでなく虫歯も引き起こしやすくなってしまうのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯を磨く以外の虫歯の予防方法についてまとめます。
- デンタルフロスを使用する :ブラッシングと合わせることでプラークの除去率が8割まで高まる
- 間食のタイミングを考える :食事すると口内が酸性に傾くため、間食は食後すぐのタイミングが理想
- キシリトールを摂取する :口内を虫歯になりにくい環境にできる。配合率50%以上のものを選ぶこと
- 定期検診を受ける :クリーニングなどによってお口の中を綺麗にでき、初期段階の虫歯も発見できる
- 矯正治療の検討 :歯並びが悪いと歯磨きしづらいため、虫歯になるリスクが他の人より高い
- 生活習慣を改善する :身体の免疫力低下は体調不良だけでなく、虫歯菌に感染するリスクも高める
これら6つのことから、歯を磨く以外の虫歯の予防方法が分かります。
予防方法をズラリと挙げましたが、正直これらを全て実践するのは難しいでしょう。
そこで、これらの中でも特におすすめの予防方法をチョイスすると、
それは歯科医院の定期検診とデンタルフロスです。
デンタルフロスを使用しつつ定期検診を受けていれば、高い確率で虫歯を予防できます。
治療した歯(かぶせもの等)はまたむし歯になりますか? [2017年04月01日]
大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。
今回のテーマは「治療した歯がまた虫歯になる可能性」です。
虫歯治療をして被せ物などで処置した歯、その歯はもう虫歯になることはないと思う人もいるでしょう。
しかしそうではなく、治療した歯がまた虫歯になることはあるのです。
これは二次虫歯、もしくは二次カリエスと呼ばれており、決して稀なケースではありません。
実際、成人の虫歯のほとんどが二次虫歯によるものです。
1. 二次虫歯とその要因
虫歯治療した歯が再度虫歯になることを二次虫歯(二次カリエス)と呼びます。
最初に虫歯治療をした際、最終的に詰め物や被せ物で処置しますが、
年数が経つにつれてこれらの接着が弱まり、詰め物や被せ物と歯との間に隙間が生じます。
この隙間に虫歯菌が侵入することで再び虫歯を引き起こし、つまりこれが二次虫歯の要因となります。
また、二次虫歯は何度でも起こるため、人によっては虫歯治療と二次虫歯を繰り返してしまいます。
治療を繰り返して歯を削ることで歯はどんどん失われていく…これが二次虫歯の怖いところです。
2. 二次虫歯は予防が難しい
二次虫歯の厄介なところは、初めての虫歯に比べて予防が難しいことです。
詰め物や被せ物があることで外見上虫歯に気付くのが難しいですし、
最初の虫歯で神経を除去している場合は痛みすら感じないでしょう。
また、二次虫歯が起こるきっかけは詰め物や被せ物と歯との間に隙間が生じることですが、
この隙間を歯ブラシやデンタルフロスで磨くことは困難です。
これらの点から、初めての虫歯よりも二次虫歯の予防の方が難しいのです。
とは言え、予防方法が全くないわけではありません。以下で二次虫歯の予防方法をお伝えします。
3. 治療した歯は丁寧に磨く
虫歯治療した歯が再度虫歯になる可能性がある以上、治療後はその歯を丁寧に磨くことが大切です。
特に治療した箇所と歯との間、この隙間を常に綺麗にする意識を持ちましょう。
確実にプラークを除去するために、プラークチェッカーを使うのもおすすめです。
また、ブラッシングだけでなくデンタルフロスを使うのも効果的です。
歯と歯の間の汚れを除去できますし、
仮に被せ物が合っていない時はデンタルフロスを使用することで違和感にも気付けます。
4. 定期検診に通う
二次虫歯を防ぐ上で欠かせないのが歯科医院で受けられる定期検診です。
そもそも詰め物や被せ物には寿命がありますし、
何らかの原因で詰め物や被せ物に異常があった場合、定期検診を受けることでそれを発見できます。
自分では気付かない詰め物や被せ物の寿命も歯科医なら分かりますし、
何よりお口の状態をチェックするので二次虫歯はもちろん、他の歯の健康状態も確認できます。
定期検診は二次虫歯に限らず、最初の虫歯や歯周病においても大きな予防効果があります。
5. セラミックの詰め物や被せ物を使用する
詰め物や被せ物の素材にセラミックを使用すると、二次虫歯になるリスクを大幅に減らせます。
最も、ほとんどの人はセラミックの詰め物や被せ物に対して審美目的のイメージがあると思います。
確かにそれもありますが、セラミックは詰め物や被せ物の素材として見ても大変優秀です。
まずセラミックはプラークが付着しにくい特徴があるので、金属のものに比べて清潔な状態を維持できます。
さらに歯との接着の相性も良いため、接着が剥がれて隙間が生じるケースが起こりにくいのです。
また、金属に比べて長持ちするのも利点で、扱い次第では10年以上問題なく使用できます。
6. 治療を受ける歯科医院にこだわる
虫歯治療で歯科医院に行く場合、ほとんどの人は何も考えずに近くの歯科医院に行くことがほとんどです。
しかし歯科医院選びにこだわることで、後の二次虫歯のリスクを減らすことができるのです。
例えば、マイクロスコープなどを使用して精度の高い治療を行っている歯科医院を選ぶのもいいですね。
精度の高い治療を行う歯科医院なら、詰め物や被せ物を隙間なくピッタリと入れることが可能ですし、
少なくとも歯科医の技術不足による隙間の発生は防げます。
こうした医療機器導入の有無は、歯科医院のHPで紹介されています。
まとめ
いかがでしたか? 最後に、治療した歯がまた虫歯になる可能性についてまとめます。
- 二次虫歯とその要因 :詰め物や被せ物と歯との間に隙間が生じて、そこから虫歯菌が侵入する
- 二次虫歯は予防が難しい :詰め物が被せ物で覆われていることで、見た目で虫歯と分かりにくい
- 治療した歯は丁寧に磨く :特に治療した箇所と歯との間を丁寧に磨く
- 定期検診に通う :詰め物や被せ物の異常や劣化に気付ける
- セラミックの詰め物や被せ物を使用する :セラミックはプラークが付着しにくく二次虫歯になりにくい
- 治療を受ける歯科医院にこだわる :虫歯治療は精度の高い治療を行う歯科医院を選ぶと良い
これら6つのことから、治療した歯がまた虫歯になる可能性が分かります。
フッ素配合の歯磨き粉が一般化しているためか、近年では虫歯になる人は減少傾向にあります。
しかし、二次虫歯においては依然悩まされる人が多いため、
ここでお伝えした予防方法を全て実践するくらいの警戒が必要です。
歯周病と虫歯の違いって何ですか?2 [2017年03月01日]
大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。
今回のテーマは「歯周病と虫歯の違い」です。
歯周病と虫歯はどう違うのかを聞かれた時、すんなりと答えられる人は少ないのではないでしょうか。
どちらも予防方法は同じですし、歯科医院で治療が必要という点も同じです。
もちろん歯周病と虫歯は全くの別物なのですが、その違いを知る機会はあまりありません。
そこで、ここではその違いについて分かりやすく解説していきます。
1. 歯周病は歯肉の病気
歯の周囲の病気と書いて歯周病、この文字どおり歯周病は歯の周り…すなわち歯肉の病気です。
歯周病菌に感染することで引き起こされ、症状としては歯肉の腫れや変色が起こります。
さて、「歯周病になると歯が抜ける」と聞いたことがある人が多いと思いますが、
その理由は歯周病がもたらす症状にあります。
歯周病が進行することで徐々に顎の骨が溶かされていきますが、
顎の骨というのは歯を支える役割を持っています。
つまり「顎の骨=歯の支え」であり、支えを失うことは歯を不安定な状態にさせてしまいます。
そうなると歯がグラつくようになり、最終的に抜け落ちてしまうのです。
2. 虫歯は歯の病気
虫に侵された歯と書いて虫歯、歯周病同様に文字で示すなら、虫歯は文字どおり歯の病気です。
虫歯菌に感染することで引き起こされ、症状としては歯が溶かされてしまいます。
虫歯になると歯に穴があくイメージがありますが、
正確には歯が溶かされることで穴があくわけで、これは虫歯菌が出す酸の影響です。
虫歯は治療しない限り進行を続け、どんどん歯の奥に虫歯菌が侵入していきます。
表面のエナメル質、その奥にある象牙質に到達することで私達は痛みを感じますし、
さらに進行すると歯髄、すなわち歯の神経まで虫歯菌に侵されます。
神経を破壊した後も血液や顎の骨に虫歯菌は侵入し、治療しない限り虫歯菌は進行を続けます。
3. 治療方法の違い
歯周病と虫歯は治療方法が全く異なります。
歯周病の場合は口腔内のクリーニングと患者さんによるプラークコントロールが基本です。
初期段階であればそれだけで治すことも可能ですが、
一定以上進行すると歯肉を切開して歯周ポケットの細菌を除去するなどの手術が必要です。
一方虫歯治療ですが、こちらは歯を削って虫歯菌を除去するのが基本です。
削る範囲は虫歯の進行に応じて異なり、進行している場合ほど歯を削る範囲も広くなります。
最終的には詰め物や被せ物で対処しますが、そうした後も再度虫歯になる可能性があるので要注意です。
これを二次虫歯と呼び、実際に成人の虫歯治療のほとんどが二次虫歯によるものです。
4. 自覚症状の違い
歯周病は歯肉の変色や炎症が起こるものの、「痛み」のような明確な自覚症状はありません。
最も、進行すれば歯がグラついてきますし、歯肉の退縮により歯が長くなって見えるようになります。
ただし発生直後はそういった目立つ自覚症状がないため、
知らない間に歯周病になっていたというケースが多く、そのせいで重症化してしまう人も多いのです。
一方虫歯には「痛み」という分かりやすい自覚症状があります。
正確には虫歯が象牙質まで進行すると痛むようになり、大抵の人がこのタイミングで歯科医院に訪れます。
もしここで放置してしまうとさらに神経まで進行し、そうなると痛みは激痛に変化します。
神経が破壊されると痛みを感じなくなるものの、治療しない限り虫歯菌がなくなることはありません。
5. どちらも歯を失う可能性がある
今回のテーマでもある歯周病と虫歯の違いとは趣旨が逸れますが、
これら2つの重大な共通点について触れておきます。それは、どちらも最終的には歯を失うということです。
歯周病は顎の骨が溶かされていき、支えを失った歯がやがて抜け落ちてしまいます。
虫歯も重度な段階にまで進行すれば、その頃には歯は原型を失ってボロボロになっているでしょう。
よく「歯周病と虫歯ではどちらが怖い?」という質問を耳にしますし、
この場合、痛みを感じることのない歯周病は特に軽視されがちです。
しかしそれは大きな間違いで、歯周病と虫歯はどちらも同じくらい怖い病気です。
なぜなら、どちらも進行することで歯を失ってしまうからです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病と虫歯の違いについてまとめます。
- 歯周病は歯肉の病気 :歯周病は歯肉の病気で、歯周病菌に感染することで起こる
- 虫歯は歯の病気 :虫歯は歯の病気で、虫歯菌に感染することで起こる
- 治療方法の違い :歯周病は口腔内のクリーニング、虫歯は歯を削るのが基本
- 自覚症状の違い :歯周病は痛みがなく、虫歯は痛む。この違いから、歯周病は知らない間に進行しやすい
- どちらも歯を失う可能性がある :重大な共通点が1つあり、それはどちらも歯を失う可能性があること
これら5つのことから、歯周病と虫歯の違いが分かります。
歯周病と虫歯、これらを引き起こすそれぞれの細菌は、プラークの中に潜んでいます。
つまり、毎日の歯磨きに加えて歯科医院で定期検診を受けて口腔内を綺麗にすることが、
歯周病と虫歯の予防方法になります。
歯周病と虫歯の違いって何ですか? [2017年02月01日]
大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。今回のテーマは「歯周病と虫歯の違い」です。
歯科医院に通う人のほとんどが、歯周病か虫歯の治療です。
どちらも一般的な口の中の病気ではあるものの、歯周病と虫歯は全く違った病気です。
症状はもちろん治療内容も異なるため、歯周病と虫歯は別物だと考えてもいいでしょう。
そこで、ここではそんな歯周病と虫歯の違いについて説明していきます。
特に歯周病は軽視されがちなので、この機に歯周病の怖さも知っておいてください。
1. 歯周病は歯肉の病気
「歯の周りの病気」と書くとおり、歯周病は歯の病気ではありません。
正確には歯肉の病気であり、歯周病になることで歯肉が腫れたり出血したりするようになります。
それに合わせて変色もしますが、虫歯のように痛みに悩まされることはありません。
また、歯周病の症状として歯肉の腫れだけだと思っている人もいますが、それは間違いです。
歯周病は顎の骨を溶かしてしまう病気であり、進行することで歯が抜け落ちてしまいます。
つまり最終的には歯を失う病気であり、実際に日本人が歯を失う要因として歯周病がトップに挙がっています。
2. 虫歯は歯の病気
「虫に侵された歯」と書くとおり、虫歯は歯の病気です。
さて、虫歯になると歯に穴があきますが、これは虫歯菌の出す酸が歯を溶かしてしまうからです。
進行するほど穴は深くなり、虫歯が象牙質に到達することで激しく痛むようになります。
また、虫歯が破壊するのは歯だけでなく、進行することで歯以外にも被害を及ぼします。
象牙質からさらに進行するとやがて神経まで破壊しますし、顎の骨や血液にまで虫歯菌は侵入していきます。
最も、虫歯を放置することがなければそういった深刻な事態に至ることはありません。
3. 自覚症状の違い
歯周病と虫歯で決定的に違うのが自覚症状の差です。
虫歯は少し進行しただけで、私達に「痛み」という自覚症状をもたらします。
一方歯周病にはそういった目立つ自覚症状はなく、静かに進行する病気とも言われているほどです。
この点だけで比較すると、誰もが歯周病よりも虫歯の方を嫌がるでしょう。
しかし、歯周病の自覚症状のなさは実は脅威でもあるのです。
なぜなら、自覚症状がないことで自身が歯周病であることに気づきにくくなるからです。
4. 治療方法の違い
全く別の病気である以上、歯周病と虫歯では治療方法も全く異なります。
歯周病治療の基本はプラークコントロールと口の中のクリーニングであり、プラークや歯石の除去を行います。
ただし、中期段階以降まで進行すると歯周外科手術や溶かされた骨の再生治療が必要になります。
一方、虫歯治療の基本は歯を削ることです。虫歯に侵された部分を削り、最終的に詰め物などで対処します。
削る範囲は虫歯の進行度によって異なり、一定以上進行していると削った時にも痛みを感じます。
また、神経付近まで虫歯が進行すると神経の除去や根管治療といった大掛かりな治療も必要です。
5. 「歯を失う」という共通点
全く別物ともいえる歯周病と虫歯ですが、どちらも歯を失う要因になるという共通点もあります。
歯周病は進行することで顎の骨が溶かされ、それによって支えを失った歯が抜け落ちてしまいます。
虫歯は進行することで歯がボロボロに溶かされ、最終的にはほとんど残っていない状態になってしまいます。
また、重度の状態まで進行することでどちらも抜歯が必要になり、この場合も結果的に歯を失います。
つまり、歯周病と虫歯は全く別の症状を起こしながらも、最終的には「歯を失う」という到達点に辿り着きます。
このため、歯を守るためには歯周病と虫歯の両方を予防する必要があるのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病と虫歯の違いについてまとめます。
- 歯周病は歯肉の病気 :歯肉が変色して腫れや出血を引き起こし、進行することで顎の骨を溶かしてしまう
- 虫歯は歯の病気 :虫歯菌の出す酸によって歯に穴をあける。進行することで象牙質や神経まで到達する
- 自覚症状の違い :歯周病には虫歯のような痛みがない反面、気づきにくいという問題点がある
- 治療方法の違い :歯周病は歯石やプラークの除去が基本。虫歯は歯を削るのが基本
- 「歯を失う」という共通点 :どちらも最終的には歯を失う。歯を守るためには両方予防しなければならない
これら5つのことから、歯周病と虫歯の違いが分かります。
歯周病と虫歯のどちらが深刻かといえば、痛みがある分虫歯と回答する人が多いのではないでしょうか。
しかし、現状を考えると深刻なのはむしろ虫歯よりも歯周病の方です。
なぜなら、日本人の成人の7割以上が歯周病だといわれ、歯を失う要因のトップも歯周病だからです。
一方、虫歯はフッ素配合の歯磨き粉が一般化してきたことで徐々に減少傾向にあるのです。
痛みがないことで軽視されがちな歯周病ですが、現状では実は虫歯以上に深刻な状態になっているのです。