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歯周病と虫歯の違いって何ですか?

2017年02月01日

大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。今回のテーマは「歯周病と虫歯の違い」です。
歯科医院に通う人のほとんどが、歯周病か虫歯の治療です。
どちらも一般的な口の中の病気ではあるものの、歯周病と虫歯は全く違った病気です。

症状はもちろん治療内容も異なるため、歯周病と虫歯は別物だと考えてもいいでしょう。
そこで、ここではそんな歯周病と虫歯の違いについて説明していきます。
特に歯周病は軽視されがちなので、この機に歯周病の怖さも知っておいてください。

1. 歯周病は歯肉の病気

「歯の周りの病気」と書くとおり、歯周病は歯の病気ではありません。
正確には歯肉の病気であり、歯周病になることで歯肉が腫れたり出血したりするようになります。
それに合わせて変色もしますが、虫歯のように痛みに悩まされることはありません。

また、歯周病の症状として歯肉の腫れだけだと思っている人もいますが、それは間違いです。
歯周病は顎の骨を溶かしてしまう病気であり、進行することで歯が抜け落ちてしまいます。
つまり最終的には歯を失う病気であり、実際に日本人が歯を失う要因として歯周病がトップに挙がっています。

2. 虫歯は歯の病気

「虫に侵された歯」と書くとおり、虫歯は歯の病気です。
さて、虫歯になると歯に穴があきますが、これは虫歯菌の出す酸が歯を溶かしてしまうからです。
進行するほど穴は深くなり、虫歯が象牙質に到達することで激しく痛むようになります。

また、虫歯が破壊するのは歯だけでなく、進行することで歯以外にも被害を及ぼします。
象牙質からさらに進行するとやがて神経まで破壊しますし、顎の骨や血液にまで虫歯菌は侵入していきます。
最も、虫歯を放置することがなければそういった深刻な事態に至ることはありません。

3. 自覚症状の違い

歯周病と虫歯で決定的に違うのが自覚症状の差です。
虫歯は少し進行しただけで、私達に「痛み」という自覚症状をもたらします。
一方歯周病にはそういった目立つ自覚症状はなく、静かに進行する病気とも言われているほどです。

この点だけで比較すると、誰もが歯周病よりも虫歯の方を嫌がるでしょう。
しかし、歯周病の自覚症状のなさは実は脅威でもあるのです。
なぜなら、自覚症状がないことで自身が歯周病であることに気づきにくくなるからです。

4. 治療方法の違い

全く別の病気である以上、歯周病と虫歯では治療方法も全く異なります。
歯周病治療の基本はプラークコントロールと口の中のクリーニングであり、プラークや歯石の除去を行います。
ただし、中期段階以降まで進行すると歯周外科手術や溶かされた骨の再生治療が必要になります。

一方、虫歯治療の基本は歯を削ることです。虫歯に侵された部分を削り、最終的に詰め物などで対処します。
削る範囲は虫歯の進行度によって異なり、一定以上進行していると削った時にも痛みを感じます。
また、神経付近まで虫歯が進行すると神経の除去や根管治療といった大掛かりな治療も必要です。

5. 「歯を失う」という共通点

全く別物ともいえる歯周病と虫歯ですが、どちらも歯を失う要因になるという共通点もあります。
歯周病は進行することで顎の骨が溶かされ、それによって支えを失った歯が抜け落ちてしまいます。
虫歯は進行することで歯がボロボロに溶かされ、最終的にはほとんど残っていない状態になってしまいます。

また、重度の状態まで進行することでどちらも抜歯が必要になり、この場合も結果的に歯を失います。
つまり、歯周病と虫歯は全く別の症状を起こしながらも、最終的には「歯を失う」という到達点に辿り着きます。
このため、歯を守るためには歯周病と虫歯の両方を予防する必要があるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病と虫歯の違いについてまとめます。

  1. 歯周病は歯肉の病気 :歯肉が変色して腫れや出血を引き起こし、進行することで顎の骨を溶かしてしまう
  2. 虫歯は歯の病気 :虫歯菌の出す酸によって歯に穴をあける。進行することで象牙質や神経まで到達する
  3. 自覚症状の違い :歯周病には虫歯のような痛みがない反面、気づきにくいという問題点がある
  4. 治療方法の違い :歯周病は歯石やプラークの除去が基本。虫歯は歯を削るのが基本
  5. 「歯を失う」という共通点 :どちらも最終的には歯を失う。歯を守るためには両方予防しなければならない

これら5つのことから、歯周病と虫歯の違いが分かります。
歯周病と虫歯のどちらが深刻かといえば、痛みがある分虫歯と回答する人が多いのではないでしょうか。
しかし、現状を考えると深刻なのはむしろ虫歯よりも歯周病の方です。

なぜなら、日本人の成人の7割以上が歯周病だといわれ、歯を失う要因のトップも歯周病だからです。
一方、虫歯はフッ素配合の歯磨き粉が一般化してきたことで徐々に減少傾向にあるのです。
痛みがないことで軽視されがちな歯周病ですが、現状では実は虫歯以上に深刻な状態になっているのです。