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歯はどうやって虫歯になるの?

2018年06月15日

大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。
今回のテーマは「虫歯が起こる流れ」です。
子供の頃、誰もが「甘いものを食べると虫歯になる」と教わった経験があると思います。

しかし、なぜ甘いものを食べると虫歯になるのでしょうか。
そもそも、健康な歯がどうやって虫歯になっていくのでしょうか。
そこで、ここでは虫歯が起こる理由…すなわち虫歯の原因について説明していきます。

虫歯に関係する3つの要素

「食事の時の食べカスが残っていると歯が不衛生になって虫歯になる」…そう思っている人が多いでしょうし、
確かにそれは間違いではありません。しかし、虫歯の原因を細かく説明するともう少し複雑です。
虫歯は「細菌」と「歯質」と「食べ物」の3つの要素が関係しており、まずこの3つの要素について解説します。

細菌

ミュータンス菌を代表とする虫歯の原因菌です。
ただし、虫歯の原因菌が存在するからといって必ず虫歯になるわけではありません。
虫歯の原因菌のほとんどは常在菌であり、常に口の中に存在しているのです。

歯質

歯質とはエナメル質の構造、歯の並び、唾液の量などを意味します。
これらはいずれも人によって状態が異なり、その違いが虫歯になるリスクの差を生んでいます。
例えば歯並びが綺麗で唾液の分泌量が高い人は虫歯になるリスクが低くなっています。

食べ物

食べ物の種類によって虫歯になるリスクが異なります。
虫歯の原因菌は酸を出して歯を溶かしますが、この虫歯の原因菌は糖を栄養源にしています。
このため糖を含んだ物を食べることで虫歯の原因菌の働きが活発になり、虫歯になるリスクが高まります。

虫歯になる流れ

虫歯に関係する3つの要素、それが細菌と歯質と食べ物です。
まず細菌である虫歯の原因菌は口の中に常に存在しており、一定おきに酸を出して歯を溶かします。
そこに糖を含んだ物を食べると、虫歯の原因菌の働きが活発になってより多くの酸を出すようになります。

虫歯の原因菌の出す酸で歯が溶かされるリスクは歯質次第です。
例えば唾液の分泌量が高ければ虫歯の原因菌を洗浄できるため、虫歯の原因菌の数を減らすことができます。
またエナメル質が固くて丈夫であれば、歯は簡単には溶かされないでしょう。

このように3つの要素が絡んで歯が溶かされる…つまり虫歯になるわけですが、
実際にはここでもう1つ「時間」という全く別の要素が絡んできます。
正確には、3つの要素にこの「時間」が加わることで虫歯になるのです。

歯の再石灰化と時間

細菌と歯質と食べ物の3つの要素によって歯は溶かされますが、
その一方で歯を元の状態に修復する働きも起こり、これを「再石灰化」と呼びます。
つまり歯は再石灰化を繰り返すことで虫歯から身を守っているのです。

では身を守っているのになぜ虫歯になるのか?…そこに関係してくるのが「時間」です。
「時間」とは食べ物が口の中に滞在する時間を意味しており、
これが長くなると再石灰化が追い付かなくなってしまいます。

例えば「ダラダラと食べる」…食べる時間が長くなることでその後の再石灰化が追い付きません。
さらに「間食が多い」…食べる頻度が高いことで再石灰化が起こるタイミングが失われてしまいます。
このように時間によって再石灰化が不充分になることで修復が追い付かなくなり、虫歯になってしまうのです。

虫歯の予防方法

虫歯になるメカニズムは上記のとおりですが、このメカニズムを理解することで予防方法も明確になります。
では、細菌と歯質と食べ物の3つの要素と時間、合計4つのポイントから予防方法を説明していきます。

細菌への対策

虫歯の原因菌の棲み処はプラークと呼ばれるもので、これは歯磨きで除去できます。
デンタルフロスを使用して丁寧で精密な歯磨きをすれば、より多くのプラークを除去できますし、
プラークを除去すれば口の中に存在する虫歯の原因菌の数を減らすことができます。

歯質への対策

唾液の分泌量を高めるには、水分補給やキシリトールのガムを噛むことなどが効果的です。
またエナメル質を丈夫にするにはフッ素が効果的です。フッ素が配合された歯磨き粉を使用しての歯磨き、
他にも予防歯科の治療メニューであるフッ素塗布を行うことでエナメル質を丈夫にできます。

食べ物への対策

基本は糖を多く含んだ食べ物を控えることで、
子供の頃に「甘い物を食べ過ぎないように」と言われたことをそのとおり守るのが大切です。
特にキャラメルなどは糖を含むだけでなく粘着性も高いため、虫歯になるリスクをさらに高めます。

時間への対策

食事の時間を守り、ダラダラ食いや間食を控えることです。
ちなみにダラダラ食いも間食も子供が行うイメージがあるとおり、
子供が虫歯になりやすいのはこれが原因の1つになっています。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯が起こる流れについてまとめます。

1. 虫歯に関係する3つの要素 :細菌、歯質、食べ物
2. 虫歯になる流れ :細菌、歯質、食べ物の3つの要素に時間が加わることで起こる
3. 歯の再石灰化と時間 :時間がマイナス要素になることで歯の再石灰化が追い付かなくなる
4. 虫歯の予防方法 :細菌、歯質、食べ物、時間への対処が虫歯予防につながる

これら4つのことから、虫歯が起こる流れについて分かります。
虫歯が起こる流れを詳しく説明すると、このような3つの要素と時間が関係してきます。
少々複雑に思えるかもしれませんが、だからこそ虫歯になるケースは一定ではないのです。
虫歯になった経験がない人ですら、これらの要素がマイナスに傾くことで簡単に虫歯になってしまいます。