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虫歯ってそもそもどういう状態?
2017年09月01日
大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。 今回のテーマは「虫歯とはどんな状態を示すのか」です。 大抵の場合、虫歯になったと自覚するのは歯が痛んだ時でしょう。
しかし歯の痛みは自覚症状の1つであり、歯が痛むのが虫歯になった状態とは限りません。 そこで、改めてどんな状態になれば虫歯になったことを意味するのかを考えてみましょう。 それを知ることで、歯に痛みがない方でも虫歯に対する危機感が持てて予防意識が高まります。
虫歯の状態と要因
虫歯菌の出す酸によって歯が溶かされることで、虫歯の状態になります。 この虫歯菌はお口に棲む細菌の1つであり、最も一般的なのはミュータンス菌と呼ばれるものです。 虫歯菌はプラークを棲み処としており、その中でせっせと酸を作ります。
その酸が溶かされることで虫歯の状態になるわけですが、虫歯菌の潜むプラークは歯磨きで除去が可能です。 つまり歯磨きが虫歯予防になるというのは食べカスを落とせるからだけでなく、 虫歯菌の棲み処であるプラークを除去できるからです。
甘いものを食べると虫歯になる理由
「甘いものばかり食べると虫歯になる」…誰もが子供の頃にそう教育された経験があるでしょう。 これもまた事実ですが、もちろんそれには理由があるのです。 虫歯菌は酸を出して歯を溶かそうとし、実際に歯が溶かされることで虫歯の状態になります。 ただし虫歯菌にとって酸を出すのは重労働であり、そのせいで頻繁に酸を出せるわけではないのです。
しかし、甘いものに含まれる糖を吸収すると虫歯菌は積極的に酸を出すようになります。 なぜなら糖は虫歯菌にとっての大好物であり、働くためのエネルギーになるからです。 つまり、甘いものばかり食べればそれだけ多くの糖を摂取することになり、 たくさんのエネルギーを得た虫歯菌はより多くの酸を出すようになってしまうのです。
虫歯になると痛む理由
実は完全な初期段階の虫歯なら一切痛みはありません。 虫歯で痛むのは、虫歯が進行して象牙質まで到達した時です。 本来歯の表面はエナメル質に覆われており、エナメル質はその奥に象牙質を刺激から守っています。
このため、エナメル質だけが虫歯菌に侵された初期段階では、痛みという刺激は感じないのです。 しかし進行して歯に穴があき、虫歯菌が象牙質に到達したと同時に痛むようになります。 と言うのも、象牙質はエナメル質と違って刺激に対して非常に敏感だからです。 つまり、痛みを感じた時点で既に虫歯は進行しているということになります。
虫歯の治療方法
「虫歯の治療方法=歯を削る」というイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。 例えば初期段階の虫歯なら削らずに治すことも可能ですし、 逆に進行の酷い重症化した虫歯の場合は削っただけでは治らず、根管の治療なども必要になってきます。
確かに、歯を削って詰め物で処置するのは虫歯治療の基本です。 しかし進行度によって削る深さや範囲は異なりますし、 削らずに治療できる、もしくはそれ以上の治療が必要になってくることもあるのです。
虫歯の予防方法
虫歯予防の基本は毎日の歯磨きですが、プラークを除去することを考えると精度の高い歯磨きが必要です。 そのためのポイントは2つで、1つは歯ブラシだけでなくデンタルフロスを使用することです。 歯ブラシだけの場合、プラークの除去率は6割程度…つまり4割の磨き残しが出てしまいます。 しかし、デンタルフロスを使用することでプラークの除去率は8割となり、磨き残しを2割まで減らせます。
もう1つの方法はブラッシングの精度を高めるため、正しい歯磨きの方法を覚えることです。 正しい歯磨き方法は、定期検診を受けることで歯科医から指導を受けることができます。 こうして歯磨きの精度を高めた上で、3ヶ月おきに定期検診を受けていれば虫歯は予防しやすくなりますし、 例え虫歯になったとしても初期段階で発見でき、簡単な治療で治すことができるのです。
まとめ
いかがでしたか? 最後に、虫歯とはどんな状態を示すのかについてまとめます。
- 虫歯の状態と要因 :虫歯菌の出す酸で歯が溶かされると虫歯になり、虫歯菌はプラークの中に棲んでいる
- 甘いものを食べると虫歯になる理由 :虫歯菌は糖をエネルギーとしており、吸収することでより酸を出す
- 虫歯になると痛む理由 :虫歯が象牙質まで進行すると痛む。これは象牙質が刺激に敏感なため
- 虫歯の治療方法 :「削って治す」はあくまで基本。進行度によってそれ以下やそれ以上の治療内容となる
- 虫歯の予防方法 :デンタルフロスを使用した精度の高い歯磨き、定期検診を受けるなど
これら5つのことから、虫歯とはどんな状態を示すのかが分かります。 重要なのは、痛みが起こった時点で虫歯の状態になるというわけではないということです。 もっと言えば、痛んでから歯科医院に行くのでは遅いということです。 早期治療、さらには予防を考えるなら歯科医院の定期検診が欠かせないのです。