ホーム  »  Blog  »  ホワイトニングではどうやって歯を白くしているのですか?

Blog

ホワイトニングではどうやって歯を白くしているのですか?

2018年04月01日

大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。
今回のテーマは「ホワイトニングで歯が白くなる仕組み」です。
歯科治療の中には病気を治すためではなく、見た目を美しくするための治療があります。

実際、みなさんも審美歯科の診療科目を掲げた歯科医院を見たことがあると思います。
そんな審美目的の治療…すなわち審美治療において最も希望する人が多いのがホワイトニングです。
「白い歯を手に入れたい」は誰もが望むことであり、それが叶うホワイトニングは魅力的な治療でしょう。

そこで、ここではホワイトニングでどうやって歯を白くするのかについて説明していきます。

歯の変色について

歯の変色には、歯の表面が変色しているパターンと象牙質が変色しているパターンがあります。
このうち前者…つまり歯の表面の変色はそれほど大きな問題ではありません。
この場合コーヒーなどによる着色が原因ですから、歯の表面さえ綺麗にすれば歯は白くなるのです。

歯科医院で行う歯のクリーニングはもちろん、市販のホワイトニング歯磨き粉でも対処できます。
問題なのは後者…つまり象牙質が変色しているパターンです。
象牙質は歯の表面ではなくその奥にありますが、歯磨きできるのはあくまでも歯の表面のみですからね。

つまり象牙質が変色しているといくら歯磨きしても白くはならず、
これを白くするために効果的なのがホワイトニングです。

ホワイトニングの仕組み

ではどうやって変色した象牙質を白くするのかを説明していきます。
歯の表面ではエナメル質がありますが、このエナメル質は透明なのでその奥の象牙質が透けてうつります。
このため象牙質が変色していれば歯が変色して見える…これが現状の状態です。

さて、ホワイトニングで使用する薬剤には過酸化水素が含まれていますが、
この成分によって歯の表面のエナメル質が無色透明になり、この時点で歯の表面の着色が落ちます。
さらに過酸化水素から活性酸素が発生し、その影響でエナメル質が構造変化します。

元々エナメル質は角ばった形状なのですが、これが丸みを帯びた形状に変化するのです。
そしてエナメル質が丸みを帯びた形状になることで光が象牙質まで届かなくなり、
言わば透明ガラスだったエナメル質が曇りガラスに変化してマスキング効果をもたらします。

そうなることで変色した象牙質がうつらなくなり、歯が白くなったように見えるのです。
つまりホワイトニングの仕組みをまとめると、
「薬剤によって変色した象牙質をうつらなくさせて歯を白く見せる」です。

ホワイトニングの効果が永久に続かない理由

ホワイトニングの効果は永久ではないものの、重ねて行うことで白さを維持することは可能です。
ではなぜホワイトニングの効果は永久に続かないのでしょうか。
これは歯の表面のエナメル質に自己修復能力があるためです。

そもそも、ホワイトニングで歯が白くなるのは薬剤によってエナメル質を構造変化させたためですが、
構造変化したエナメル質は時間を掛けて元の形に戻ろうとします。
そして元の形に戻ることで再び変色した象牙質がうつるようになり、歯の色が元に戻ってしまうのです。

とは言え、エナメル質が完全に元の形に戻るには時間が掛かります。
それは一般的に半年~1年ほどですから、つまりホワイトニングの効果は半年~1年ほど持続するわけです。

ホワイトニングの種類

ホワイトニングの種類は1つではありません。
過酸化水素を含んだ薬剤を使用する…いわば治療方法自体は同じですが、
種類としては以下の3つがありそれぞれ独自の特徴があります。

・オフィスホワイトニング
歯科医院で行うホワイトニングで、みなさんが連想するホワイトニングはおそらくこの方法です。
歯科医が薬剤を扱うため高濃度の薬剤を使用でき、そのため効果が出るのも早いです。
その一方で後戻りも早く、特徴を一言で表現するなら「歯が白くなるのは早いが後戻りも早い」です。

・ホームホワイトニング
自宅で行うホワイトニングで、使用する専用のマウスピースと薬剤は歯科医院で受け取ります。
使用する薬剤はオフィスホワイトニングと同じですが、こちらは濃度が薄くなっています。
このため効果が出るまでに時間が掛かりますが、その分薬剤がしっかり浸透するので白さを長く維持できます。

・デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用した方法です。
両方の長所を得られるため効果が出るのも早く、なおかつ白さを長く維持できます。
ホワイトニングの中で最も効果が高い方法ですが、その分費用が高いのが欠点です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングで歯が白くなる仕組みについてまとめます。

1. 歯の変色について :象牙質が変色している場合にホワイトニングが効果的
2. ホワイトニングの仕組み :歯の表面のエナメル質を構造変化させ、変色した象牙質を見えなくさせる
3. ホワイトニングの効果が永久に続かない理由 :構造変化したエナメル質が元の形に戻ろうとするため
4. ホワイトニングの種類 :オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、デュアルホワイトニング

これら4つのことから、ホワイトニングで歯が白くなる仕組みが分かります。
ちなみにこれは歯科治療のホワイトニングについての説明であり、
市販のホワイトニング歯磨き粉に今回説明した効果はありません。

実際、市販のホワイトニング歯磨き粉には過酸化水素が含まれていないので、
使用している成分を確認すればその点はすぐ分かります。
つまり市販のホワイトニング歯磨き粉のホワイトニングは全くの別物なので注意してください。