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歯周病の治療方法を知りたいです
2018年05月01日
大田区池上西馬込駅最寄りの歯医者さん、ヨシダ歯科です。
今回のテーマは「歯周病の治療方法」です。
歯周病は虫歯同様に一般的な口腔内の病気ですが、治療方法について知らない人も多いと思います。
そこで、ここでは歯周病の治療方法について説明します。
ちなみに歯周病の治療方法は虫歯の治療方法と同じで進行度によって内容が異なります。
つまり、進行すればするほど大きな治療が必要となってくるのです。
歯周病の進行度
歯周病の進行度は「初期段階」、「中期段階」、「重度段階」の3段階に分けられており、
初期段階の歯周病を歯肉炎、中期段階の歯周病を歯周炎、重度段階の歯周病を歯槽膿漏とも呼びます。
例えば「歯周炎」と診断された場合、それは中期段階の歯周病と捉えれば良いでしょう。
そして治療内容はそれぞれの段階ごとで異なりますが、異なるのはそれだけではありません。
治療内容が異なることで治療費も異なってきますし、さらに治療期間も異なってくるのです。
当然ですが歯周病が進行するほど治療費も高くなり、治療期間もまた長くなります。
初期段階の歯周病
初期段階の歯周病の治療方法は、患者さんによるプラークコントロールと歯石の除去です。
プラークコントロールとは患者さんが効率良くプラークを除去することで、方法のメインは歯磨きです。
ただし適当な歯磨きでは効果がないため、歯磨きの精度を高めるための指導を行います。
次に歯石の除去ですが、歯石は歯周病の進行を早める要因になる上、歯磨きでは除去できません。
このため専用の器具を使用して丁寧に除去していき、
歯だけでなく歯周ポケットの溝に溜まった歯石やプラークも除去します。
中期段階の歯周病
中期段階の歯周病の治療方法は、初期段階の場合と同じでプラークコントロールと歯石の除去が基本です。
ただし歯周病が進行すると歯周ポケットの溝が深くなるため、
従来の方法では歯周ポケットの溝を清掃できなくなってしまいます。
この場合はフラップ手術と呼ばれる手術で対応し、歯肉を切開して内側から歯周ポケットの溝を清掃します。
手術とは言え切開するのは歯肉だけですから、内科や外科のような全身麻酔は使用しません。
使用するのは局所麻酔であり、手術自体も1時間~2時間ほどで終わります。
重度段階の歯周病
重度段階の歯周病の治療方法は、初期段階や中期段階の歯周病の治療方法と同じです。
とは言え症状が悪化しているため、治療期間が長くなり治療費も高くなるでしょう。
また、状態によっては歯を残せないと診断されて抜歯するしかないケースもあります。
抜歯した後は入れ歯やインプラントでの対応となりますが、どちらもデメリットがある治療です。
入れ歯は外れやすい上に噛む力も弱いため、今までどおりの感覚で歯を使用するのは不可能になります。
一方インプラントは今までに近い感覚で歯を使用できるものの、治療費が高額になってしまいます。
歯周病の自覚症状
それぞれの段階での治療内容を比較すれば分かるとおり、
歯周病が進行するほど治療内容は大掛かりなものになってきます。
このため早期発見と早期治療が必須ですが、問題は初期段階の歯周病に目立った自覚症状がないことです。
自覚症状がなければ自分が歯周病であることに気づけず、
自分が歯周病であることに気づけなければ歯科医院に行かず、その結果進行させてしまうのです。
このように気づかない間に進行するため、歯周病は静かなる病気とも呼ばれています。
とは言え、初期段階の歯周病に自覚症状が全くないわけではありません。
以下のような自覚症状が起こるため、該当する項目がある人は歯周病を疑ってみるべきです。
・口臭がする
・歯石がある
・歯肉が腫れている、もしくは変色している
・歯磨きや食事の時に歯肉から出血する
・口の中がネバネバしている
…他にも「歯が長くなって見える」や「歯がグラつく」などの自覚症状がありますが、
これらの自覚症状がある場合は既に歯周病が中期段階まで進行していることが考えられます。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病の治療方法についてまとめます。
1. 歯周病の進行度 :初期段階、中期段階、重度段階の3段階に分けられている
2. 初期段階の歯周病 :患者さんによるプラークコントロールと歯石の除去
3. 中期段階の歯周病 :初期段階の歯周病の治療に加え、歯肉を切開するフラップ手術を行うこともある
4. 重度段階の歯周病 :初期段階と中期段階の歯周病の治療を行うが、抜歯が必要になることもある
5. 歯周病の自覚症状 :口臭がする、歯石がある、歯肉の腫れや変色、歯磨きや食事の時に歯肉から出血する
これら5つのことから、歯周病の治療方法について分かります。
歯周病の治療方法の基本は患者さんによるプラークコントロールと歯石の除去が基本です。
この点だけに注目すると、歯を削る虫歯の治療に比べて楽なイメージがあるかもしれません。
しかし、それだけの治療ですむのはあくまで歯周病が初期段階の場合であり、
進行することで歯肉の切開や抜歯が必要になることもあるのです。